起きたのは14時近く。W杯を朝まで観ていて、9時頃に就寝したのだった。この先のトーナメントはどうしたって寝不足になるだろう。そうしてF1のイギリスGPはいまだひとつのセッションも見られず後回しになっている。野球も見ていないが、ベイスターズに金、土とやられている。
夕方、猛烈に働いて、仕事が雑になっていやしないかと心配になった。
西荻に向かい、さいのね庵で今夜から始まった「夜の読書会」に参加した。
課題図書は町田康のデビュー作『くっすん大黒』。好きな作家だし、この作品はけっこう知っている、と自惚れて、大した予習もせずに丸腰で行ったら、ほかの参加者の見方に感心するばかりでフリー・ライダーになるところだった。それでは不当なので、時機を見て多少発言をしたわけだが、そんな駆け引きがまるで試合のようで面白くもある。
作品が発表された1996年と、そのときの作者の年齢(34歳だ)をヒントにこの作品を読むとどうなるか。たとえば、高度経済成長期からバブル経済とその崩壊までのこの国の雰囲気や、1995年の阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件などの事変を、パンク・ロッカーとして生きてきた作者はどのように向き合っていただろうか、またその時代の若者たちはどのようなマインドを持っていただろうか、など、ぼくの観点とさせてもらった。
そのほか集まった意見は、この深夜現在、消化中である。文体についてはやはり盛り上がった。中島らもや忌野清志郎の名前が出てきて個人的には楽しい。一言で言えば得意分野だったわけだ。また、それぞれの90年代の身の上話は、それが当然他人のこと故に、興味深かった。Hさんは当時子育てに忙殺されていて社会については空白だと仰ったし、ぼくはそのとき小学生だったのだから。
読書会によって、作品の読みが立体的になるのはいつものこと。昨夜といい、今夜といい、おれが毎度テキトーに読んでヘラヘラ参加しているからかもしれないが。
などと書いているうちに今日もW杯が始まった。その時差のために、見ようと思えば毎夜見られるのであって。スコアが動かなくても面白く、スコアが動き出してからはさらに面白いのであって。問題は睡眠時間の確保ではなく、猫をどう愛するかなのであって。またモロッコのカウンターは鮮やかなのであって。
そう。夜遊びに耽る飼い主に猫は完全に愛想を尽かしている。憂歌団でも歌ってやろうか。


「あ、大丈夫です」