朝寝してわれ再生の気配あり、8km, 20260427

毎年この季節に愛でたくなるのが高橋睦郎の春の句である。

虫鳥のくるしき春を無為

無為に「なにもせず」とルビを振る。

この句は、小林恭二が書いた『俳句という遊び ──句会の空間──』という本のために開かれた句会で生まれた。ぼくがまだ20代だったか30になったばかりだったか、それくらいの頃、この本を古本屋でたまたま手に入れた。たしか西荻の音羽館だったと記憶している。当時は俳句の勉強を始めたばかりで、俳句と名の付く本はなんでも読むようにしていた。そしてこの高橋睦郎の句に出会い、以来、俳句にすっかり嵌り、いまに至ってもこの本はぼくのバイブルでありつづけているし、この句はずっと変わらぬ句作の指針である。

午後、この本を久しぶりに手に取って冒頭から20ページほどを読み返す。俳句もよいが、小林恭二の率直な文章もよい。

ちなみに手元の歳時記には、この句の下五が、「無為」ではなく「不為」となって例句が載っているが、これが作者の意図で改められたものかどうか、詳しいことは知らない。いずれにしても「なにもせず」と読む。

句の大意は「虫も鳥も苦しい季節だというのに、わたしはなにもせず過ごしている」といったところ。

夜、7日間の休息を経て、走った。平坦な道を選んで8キロのジョグ。脚はまだ張っている。まずはアクティブ・レストから。

優勝者のタイムが2時間を切って大きな話題になっているロンドン・マラソンだが、このレースで初めてフルマラソンを走った4度のF1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルが、2時間59分8秒でゴールしたというニュースのほうにぼくは驚いた。

やっぱりF1ドライバーは只者ではなさそうだ。2022年に引退したあともずっとトレーニングをつづけているのだろう。

比べるのはおこがましいのだけど、ベッテルはぼくと歳が同じである。こちらはすでに8回も走って、いまだにサブ3.5の壁の前でぐずぐずしている。練習が足りていない。ベッテルは一発でサブ3。

しかし、もしいつかぼくがベッテルのマラソンのタイムを破れたら、それは個人的にはとても誇らしい出来事になるはずだ。競技がなんであれ、F1のチャンピオンにタイムで勝つ……、悪くない妄想だ。ベッテルをマラソンのライバルとする。

練習、がんばろう。

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