机に向かって細かい作業に追われた。一度も家を出なかった。
「空気階段の踊り場」というTBSラジオの深夜番組をここのところ好んで聴いている。お笑いコンビの空気階段のトーク番組である。だいたい深夜は寝ているから、タイムフリーで昼間に聴くことになる。今日も仕事をしながら最新回の放送を聴いた。
今回の放送は、コンビの肥満体型のほうの鈴木もぐらが股関節手術のための入院を当日に控えた早朝に収録されたという。1時間の番組のほとんどは、入院前の不安や、病室での過ごし方、これまでの脚への感謝、などが語られて、それらがなにしろ切実で、ゆえに面白い。
トークの合間の選曲はもぐらの愛好する松浦亜弥の楽曲だった。流されたのは「ドッキドキ!LOVEメール」と「ね~え?」だった。もぐらが機嫌よく曲を聴いている様子が伝わってくるような編集もよかった。
話は逸れるが、松浦亜弥とコンポーザーつんくの仕事の質の高さに驚かされ、ぼくは元気が出た。音楽は、仕事は、こうでなくてはいけない。どちらの曲も素晴らしかった。
やがて、寝坊した放送作家氏がスタジオに入ってくる。普段は遅刻する側のもぐらは、だれのために早朝収録になっているかは棚に上げ、嬉しそうに放送作家氏に詰め寄る。放送作家氏も冷静にやり返す。話はタバコが吸えなくなることや、入院前に牛すき焼き定食を食べる夢想などに移る。全身麻酔を控えた人間の正直な感情の吐露には迫力があり、聴くものに痛切に感じさせる。
番組はスタジオを出て、クルマで病院に向かいながら収録をつづける。途端にもぐらの声から活気が失われるが、一応は笑わせてくれる。道中に一同で牛丼屋に寄ったことが明かされ、クルマはいよいよ病院に近づく。もぐらは最後のタバコに火をつける。エンディング・トークに卒業式の定番曲「旅立ちの日に」が効果的に重ねられる。もぐらの溜息の一つ一つが胸を打つ。
曲が終わり、場面は変わる。病院のロビーにもぐらが一人で入ったらしいことがわかる。親切そうな病院職員と事務的な短い会話が交わされ、もぐらは入院病棟へと歩いていく。そこで番組が終わる。この最後は名場面だった。
空気階段の踊り場 | TBSラジオ | 2025/03/03/月 24:00-25:00
https://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20250304000000


夕飯は、セリと豆腐の炒め物・ほうれん草の味噌汁・米。セリはごま油と酒と醤油で味付けたが、もうすこし上手いセリの調理法を開発したいものだ。