猫は飼い主に似る、とよく言うが、我が家の場合はもともと性質の似ている猫が家にやってきた、という気がしている。
と、最初に書いてしまったがために、この猫を褒めると、間接的に飼い主である自分を褒めることになってしまう、ということにいま気がついた。貶すも然り……。
それをわかったうえでやってみよう。暇だし。日曜日だし。この猫のこと、第二回。
第一回はこちら
https://atomic-temporary-204055200.wpcomstaging.com/2024/10/31/20241030/
まずなにより、この猫は健康だ。だいたい決まった量の食事をし、めったに腹を壊さない。それに吐かない。半年に一度ぐらい、食事が喉につかえたときに吐くが、日常的に毛玉を吐き出すようなことはない。このあたりやはり腹が強いか。風邪もひかない。
性格はというと、この猫はひどく遠慮がちだ。たとえば休日、飼い主がまとまった休息を取ろうと、昼ごろまで寝ているとする。その場合、この猫も昼ごろまで大人しく眠る。腹が減ったと言って、飼い主を起こしにくるということがまずない。反対に、飼い主が仕事のために早朝4時に起床したとする。するとこの猫も起きてくる。飼い主が起きる時間がこの猫の起きる時間らしい。飼い主も他人になにかものを頼むのが苦手な人間だから、とても共感する。
もうひとつ、運動能力について。これは一言でいうと、持久力はあるが、のろい。飽きもせずに猫じゃらしを追いかけ続けることはできるが、高いところへの登り降りなど、瞬発系の運動は不得手だ。腰の高さの窓辺に登ろうとして、失敗して落ちてくる猫をよく見る。事故を音だけで感じることもままあるのだが、こちらとしては、ああ、また猫が落ちた、ぐらいのものである。そのために、キッチンや机に登ろうなどと、この猫は考えもしないらしい。飼い主が集中して机に向かっているときに猫が机に登ってきて、手元を邪魔してくれたら、と夢想はするのだが、仕事中のこの猫はだいたい静かに眠っている。飼い主が席を立つと、寝ていた猫も伸びをしたりする。これは前述した起床時の性質と同じ。もちろん、棚の上に猫が登っていた、なんてことはついぞない。こちらとしては猫に見下ろされたいという、猫好きに特有のマゾヒスティックな願望は人並みにあるのだが、その願いが叶うことはこの先もないだろう。
ここまでをまとめると、体が頑丈で、従順で、スタミナ型、といったところ。たしかに飼い主に似ている気もするが、この猫はこの家にやってきた1歳のころからそうだった。
いまコーヒーを入れに席を立った。すると冬用の毛布から抜け出して猫がやってきた。遠慮がちに施しを求めている。どうも器用に生きているようには見えない。
