都内での仕事に向かうためにアクアラインを渡ることが多い。ほかにも京葉道路や東関道を使って上京することも出来るのだが、アクアラインから首都高速湾岸線で羽田空港の横を抜けていくルートが比較的いつも空いている。よく、アクアラインは混むでしょう、と訊かれるが、それは東京の人の見方である。アクアラインの渋滞は東京からの利用者が作る渋滞であって、千葉県在住者が他所へ出ていく(または帰ってくる)ときはほとんど渋滞しない。僕が橋を渡っている反対車線がいつも混んでいる。
もう一つアクアラインを選ぶ理由は、海上の橋から見渡す景色がほかには代え難いということだ。冬の間は、ちょうど橋の延長線上に秩父の武甲山が見え、そこから左に稜線をたどっていくと奥多摩、丹沢と峰々が連なり、丹沢山系のもっとも端の大山の脇に、雪化粧した富士がはっきりと裾野まで見える。冬、日の出の時間に通過するときなどは空気が澄んでいて本当に美しい。
毎日のように繰り返し同じ道を行けば、季節の移ろいを視覚的に感じられる。1月も末ごろになると、遠くの山の稜線は霞む。春霞である。山が見えないのは残念だが、暖かい季節が近いと思えば心は浮き立つ。