立川のキノシネマに映画を見に行く。劇場に着いて、予約しておいたチケットをスマホに表示させると、もう2時間前に上映が始まっている。時間を勘違いしていた。時間は戻らないのだから仕方がなく、つまり遣る瀬がないが、それほど悔しくも悲しくもなく、チケットを買い直してすぐあとの回を見た。一日に何度も上映している映画だったのは不幸中の幸いだ。もう事前にチケットを予約して映画を見るのはよそうか。
だれもがさまざまな無駄なコストを背負って生きていくのであって、はっきり言って大したことではないのだ。
話は逸れるが、いつかのエリック・クラプトン(ノラ・ジョーンズだったかも)の武道館公演の際も、開演時間をろくに確認せずに神保町を散歩していて肝を冷やした覚えがある。映画なら次があるが、コンサートに次はないのだから要心しようと思う。映画のチケットは当日現地で買う、と。
見たのは『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』。ベトナム戦争帰還兵のアレン・ネルソンさんの自伝を基にした映画。ネルソンさんは戦争のあとPTSDに苦しめられたアフリカン・アメリカン。監督は塚本晋也。
素晴らしい映画だが、直視するのはたいへん。映像表現があまりにも鮮やかで、強烈な疑似体験をすることになる。いままで見たどの戦争映画よりも生々しく感じる。
戦地で銃を構えるネルソンさんの表情から考えさせられることは多い。後年、ネルソンさんが息子の通う学校で生徒に語るシーンの静謐な演出は素晴らしく、これがこの映画のハイライトだろう。終盤、ネルソンさんがベトナムでの講演に向かうパートはすこし説明が過ぎるが、その必要性は充分に理解できる。
下のフロアのジュンク堂を物色する。池澤夏樹を何冊かと、その隣に並んでいた娘の池澤春菜の著作もようやく初めて選んだ。これは「無職」という漢字にフォーカスした書き出しが気に入った。読むのが楽しみ。買いたかった新刊書をあらかた手に入れて満足だ。そうして荷物は重く、真面目に働かなくてはいけないと思う。ジュンク堂はよい書店だ。
多摩モノレールの乗り鉄を楽しんで帰った。



