日脚伸ぶほなまた寄るわゆかりの地、0km, 20260127

なにから書いたらいいかわからん。心が満たされている。神戸最高。

いまは神戸元町のホテルにいる。寝支度をして、明日の行動予定もばっちり決まっている。22時41分。いやはや、感無量。

客観的事実から書いてみよう。6時20分に家を出て、16時20分にこの宿にチェックインした。車で来た。つまり、休憩も含むけど、10時間も運転していた。運転馬鹿だ。それは間違いない。遠くの前方を見渡して運転するとそんなに疲れない、とついでに書いておく。

中央道を選んで、雪化粧の南アルプスや中央アルプスの山々を観賞しながら名古屋まで出た。都市部を抜け、関ヶ原のあたりからはまた見事な雪景色。米原からは予定していた遠回りを始めた。北陸道に入り、一旦北上し日本海側に出て、敦賀から舞鶴までは時折り海を右に眺めながら西へ進む。ふたたび山間に入り、福知山のあたりから南下し、いよいよ六甲山地の裏側に回り込んだ。

遠回りしたら、遠かった。が、道程には非常に満足している。日本の山の3分の1を今日一日で見た、という気がする。途中、給油が一回必要で、正味600キロちょっとの距離だったかな。メーターを確認し忘れた。終始慎重な操作で進んできたけど、まとまった雪も降らず、厄介な路面状況には最後まで遭遇しなかった。道路の整備をしている方々の脇を通過するたびに頭が下がる思いだった。かっこいい。

我が郷愁の六甲山地が目の前に横たわっているのを見たときは、ちょっと感動した。だからというわけではないが、分岐を間違えて宝塚方面に吸い込まれてしまった。地図で覚えたつもりだったのだが、このあたりの道は不慣れな人間には手に負えないだろう。ナビを使わないからこうなるわけであって、仕方がない。承知。で、宝塚インターで降りる。

宝塚の駅前の建物が高速道路から見えたときにも、ちょっと感動した。浮かれ立った。「あれ宝塚の駅前だよ」と独りごちた。しかし、ずいぶん背の高いマンションが増えていて、当時とは雰囲気が可成り変わっている。30年というのはそれなりの年月だから当然と言えば当然。ちょっと武蔵小杉に似ている。

予定を変更して、幼少期に暮らした町を車で回ってみることにする。手塚治虫記念館のあたりから逆瀬川駅の方に向かう道は不思議と覚えている。通りにあった模型屋はおそらくなくなっていた。逆瀬川駅に接した踏切を渡り、逆瀬川に沿って坂を登ってゆくときは、もう泣く寸前だ。前が見えなくなると困るから泣かないけど、とにかく感傷が過ぎる。しかしこの小川、一見するといまだにきれいな水が流れている。見事。むかしこの川でメダカを捕まえたり、蛍を見たり、サッカーボールを落として困ったような記憶もある。

暮らしたマンションまでの道は、覚えているつもりが分からなくなって迷った。最後に訪ねたのは10年くらい前だったと思う。そのときには覚えていたのだから、やはり記憶は薄れてゆくものか。一度駅まで戻り、地図を確認して再び挑むとすぐに分かった。分かったのだが、マンションに面した通りが大きな工事中で通行止めになっている。どうもバイパスらしき道になる模様。もう地形からして変わっているし、これではぼくが道を間違えるのも無理はない。一本隣の高台の道に回るとマンション自体は残っているのが見えた。後日、徒歩で来てみよう。

そんなことをしていて、元町に16時20分に着いたのだった。

ここからが今日の本題。

よりこさんに会いに来たのだ。昨年末に西荻で知り合い、この年始も西荻でお会いした、ぼくとは同学年の神戸の人。よりこさんはパートナーのりょうさんと、来月から海外暮らしを始めてしまうから、神戸にいるうちに会っておきたかった。今日の18時まで彼女が元町でお茶の展示販売の催しをやっているからちょうどいい機会だった。間に合ってよかった。

会場の外からまずは偵察するつもりで近づいたら、中にいるよりこさんに一目で見つかってしまった。偵察させてよ緊張するじゃん。仕方がないから入っていくと、とても歓迎してくれる。「なんで、うそ、腰が抜ける、なんで、なんで、なんで、ええ、え、東京、だって東京」と、右往左往しながらだいたいこのようなことをおっしゃる。もうそのことでこちらは胸がいっぱいになる。ユーミン聴きたいよおれは。聴きながら書こう。ハロー、マイ・フレンド。

展示を一緒にやってらっしゃるユカさんと、居合わせたお客さんと、なんだかとりとめなく話をさせてもらって、楽しかった。明日の旅行プランもみなさんから情報をいただいてあっという間に決まった。

たしかに、とりとめはなかった。よりこさんが突然、「コミさんにきっといいことがあります」だったかな、じっとぼくの目を見つめて言う。なんだ藪から棒に、と思ったが、真剣な顔をしてる。有り難く、その言葉を頂戴した。言葉は強いものだ。知っているようで知らないから参るね。

よりこさんの旅の幸運を心から祈って別れる。

しばらく歩いて、ぽかに気付いて戻る。もう一度歓迎され、もう一度幸運を心から祈って別れる。得した気分だ。

「ほなまたグッバイ」と別れて路地を歩いていくと、よりこさんとユカさんが30メートルくらい後ろから、「ほなまたー」と叫んでこっちに手を振っている。やめてくれよ、こっちは今日東京から来たばかりの人間なんだから。LAのノリに接したニューヨーカーの気分だ。最高だよ。

前夜は旅が楽しみで寝付けず、寝不足。適当に食事を済まして早く寝るべきなのだが、気持ちが昂っているわけだ。やはりそこは森山大道よろしく、犬の時間(とき)を行う。元町周辺を気付いたら2時間も散歩していた。さすがに疲れて、身体も完璧に冷えて、いろんなことが嫌になって、全国チェーンのうどん屋(はなまるだったかな。モスバーガーと悩んで温かさをとった)に入った。注文の仕方がよく分かっていなくて店員に優しくされた。うどんも枝豆のかき揚げもとても美味かった。21時に宿に帰った。

結論。神戸最高、お茶はTARAHA、東名より中央道。みなさんありがとう。

23時51分。眠れない。寝よう。

よりこさん
わたし 撮影=よりこさん
よりこさんとユカさん