深夜に放送された空気階段のラジオを昼間にタイムフリーで聴く。先週の鈴木もぐら入院ドキュメンタリーはよかった。そして今週は、もぐらが入院したことで通常の収録は行われず、特別の編集回となった。これがまたよかった。今年の2月に渋谷La.mamaで行われたという空気階段と銀杏BOYZ・峯田和伸のツーマン・ライブの模様が伝えられた。
なぜ、銀杏BOYZか──それは番組の前半に明かされた。
┃もぐら少年の追っかけ時代
中学生だったもぐら少年は峯田和伸の音楽に衝撃を受ける。高校生になるとアルバイト代でライブハウスに通うようになった。もぐら少年は確信する。「やっぱりおれの味方がここにいる」と。
熱心に各地のライブを追いかけるうちにバンド・メンバーにも存在が認知されるほどになる。ライブの開場前に街をうろついているとリハーサルを終えた峯田和伸に見つかって声をかけられ食事に連れて行ってもらったり、地方のライブでは泊まるところのないもぐらを峯田和伸がホテルの部屋に招いて泊まらせてくれたり、一緒にプリクラを撮ったり──ただのファンとスターという関係を越えた交友が、かつてあったという。その峯田和伸の人間の温かさには驚く。
やがてもぐらは芸人になることを「本気で」志す。それとともに銀杏BOYZのライブからも足が遠ざかっていたという。このあたりの経緯は詳細には語られないが、芸人として大成するまではスターである峯田和伸に会いたくない、という心理があったのでないかと想像する。
┃高円寺で峯田とばったり再会する
何年も経ったある日、高円寺の居酒屋で芸人仲間と食事をしていると、その店にふらっと峯田和伸が入ってきた。もぐらはすぐに気づいたが、気づかないふりをした。だが同行の芸人仲間が「銀杏の峯田さんだ、写真撮ってもらおうぜ」と声をかけてしまう。峯田和伸は快く応じる。もぐらがカメラを構えると峯田和伸が気づく。「あれ、もぐらじゃない?」と。「じつは吉本で芸人やってまして」ともぐらは身分を明かす。峯田和伸は「おれのメアド知ってんだろ、連絡してこいよ」と伝える。峯田和伸はもぐらがライブに現れなくなったことを、あいつは死んだものと割り切っていたそうだ。
┃芸人として出世し峯田と共演する
もぐらは芸人として着実に出世する。ワンマン・ライブを控えた未明に、悩んだ末に峯田和伸を招待する。峯田和伸は急な誘いにも関わらず来てくれた。空気階段が賞レースで優勝したときには峯田和伸が番組にサプライズで出演してくれもした。こうして2人の交友は復活した。
だいたいこのようなことが、過去の放送のもぐらの語りを編集して流された。もぐらの話術の巧さもあって、青少年時代の満たされない日々や、峯田和伸の人間性がとてもよく伝わってくる。笑えるし、ほろりとする。そして今年の2月のツーマン・ライブの会場に場面は変わる──「BABY BABY」を空気階段と銀杏BOYZが一緒に歌う。
もぐらが演者として峯田和伸とステージで共演することが、もぐらにとってどれだけの偉業かと思うと、涙なしには聴けなかった。
いま、4回目を聴いている。やはりまた最後に泣いた。
先週の放送はたしか5回聴いた。思えば一年前にNHK FMの『クラシック・カフェ』が終わってから、習慣の歯車が微妙に狂ったのか、意図せずラジオから遠ざかっていた。それが先月、たまたまあるラジオ局に取材で入って、それから当てずっぽうにいくつかのラジオ番組を試しに聴いて、そのなかで『空気階段の踊り場』に行き着いたのだった。
鈴木もぐらには健康でいてもらわないと困る。
空気階段の踊り場 | TBSラジオ | 2025/03/10/月 24:00-25:00 https://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20250311000000
14時46分にはベランダに出て黙祷した。この季節の空気を確かめておきたかった。真冬に比べれば暖かいが、まだ寒い。雑木林からは種類はわからなかったが野鳥の賑やかな囀りが聞こえた。
夕飯は玉ねぎと玉子の洋風スープ・納豆パスタ。
