体調もよく、無事に自己ベストを達成してきた。
7時半に起きた。正味6時間ぐらいは眠ったか。9時過ぎに水戸駅前の宿を出て、スタート15分前の10時15分にスタート位置に着いた。勝田駅から歩いて10分ほどのひたちなか市文化会館の横からレースは始まる。ゴールもこの場所である。よく晴れているが、北風が強かった。
まだまだマラソン歴は浅いとはいえ、5回目のレースとなるとスタート前も落ち着いたものだ。例えば、栄養補給、持ち物の確認、荷物のデポ、靴紐の結び直し、準備運動、時計のセット、とやることは多いが、もうすっかり慣れている。スタート地点に着くとあとは暇だから、つい仕事のことなんかを考えたりしていた。
Fブロックはやはり後方だった。さらにうしろにはHブロックまであった。抜いていくレースを想定していたのだが、そうはならなかった。
レース・スタートの号砲から5分ほどしてFブロックの集団がようやくスタート地点を越えた。そして集団はすぐにスピードに乗った。これは意外な速さだった。ペースでいうとキロ5分20秒ほど。スタートから数百メートルの商店街を抜けて交差点を曲がり、4車線の長い直線道路に入った。すべての車線が走路になっており、後ろから前のランナーを眺めるのは圧巻だった。なるほど、これならスタート直後の渋滞もないはずだ。それにしても、ペースが速過ぎると感じた。ぼくの理想のレースペースではあるが、このまま集団が進むとは思わなかった。きっと脱落者が相次ぐだろう、と。
ところが、10キロ、15キロと過ぎても集団のペースと密度は変わらない。脱落していく人がほとんどいない。そこまで来て完全に悟った。この大会のレベルが高いのだ。ぼくの走力だとFブロックが妥当だったのだ。たしかに、お喋りしながら友達と”ジョギング”しているグループや、コスプレランナーなんかもあまり見当たらない。給水地点は基本的にスポーツドリンクと水が置いてあるだけだし、ベテランのランナーたちはスピードを落とさずにスムーズに通過するからとても楽だ。いままでに走ったどの大会よりも走りやすい。大きな集団のなかでもとくに速い潮流を見極めながら、遅れないようについていった。とても硬派な大会だという印象を受け、その印象はレース後まで変わらなかった。
25キロを過ぎたあたりで、脚のあちこちが攣りそうな気配を感じ始めた。いつリタイアしても仕方がないと割り切って、ペースは落とさず走った。集団のペースも変わらない。密度はさすがに薄まってきた。長い登りと下りが繰り返されるコースだったが、登り坂ではペースを落とさず、下り坂ではスピードをつけた。このあたりは多摩丘陵で鍛えた成果を感じた。
32キロまできて、完走は手中に収めたと感じた。というか、そのように感じるように決めているのだ。のこりの10キロは日課のランだと。ペースも落とさずに来た。サブ4も間違いない。38キロからの2キロで脚が回らなくなったが、40キロからは持ち直した。最後のコーナーを曲がって、あと100メートルほど。ゴールの時計は3時間49分49秒だった。グロスタイムでの3時間50分切りに間に合う! と、頭で考えるより、身体がさきに反応していた。それで猛ダッシュしたが、あとになって冷静に考えると、ウサイン・ボルト並みの100メートル走で駆け抜けなければ間に合うわけがない。
当然、ダッシュも虚しく、グロスタイム、つまり号砲からの時間の経過では3時間50分04秒のゴールとなった。だが、最後の100メートルを15秒ほどで走ったとするとグレートなフィニッシュではあった。ネットタイム、つまりランナー各自がスタート地点を通過してからのタイムだと3時間45分47秒だった。後方スタートのランナーはふつう、こちらのタイムを記録として認めるし、これも立派な大会記録である。ということで、目標の3時間50分切りを達成し、自己ベストは8分更新となった。
走り終わってもそれなりに元気だった。広場でストレッチをしていると北風が冷たかった。こんなに寒い中を走っていたのかと驚く。慌てて服を着替えて、足早に会場をあとにした。そう、早歩きで会場を去ったのだ。走ろうと思えば、まだ走れた。つまり脚は残っていた。もっとレースで使いきればよかった、とも思うが、帰れなくなっても困る。
ひたちなか市と東海村の皆さま、温かい声援をありがとうございました。
さて、水戸駅周辺の観光をしようかと、すこしは考えたが、すでに15時も過ぎているし、観光施設でゆっくりできそうにはない。それで大人しく帰ることにした。クラッチ・ペダルの操作もまったく不自由はなかった。
大人しく帰るつもりが、つい出来心で常磐道から圏央道に外れ、成田空港へ向かった。ひこうきの丘という公園に行けば、ちょうど夕暮れ時の着陸機を見られるかもしれないと考えたのだ。
まさに公園に着く直前というときに、エミレーツのA380がぼくの目の前を低く通過した。公園にクルマを停めて空港を一望できる丘に上がると、こんどはNCAの747−8Fが頭上を過ぎた。これは写真に撮った。昨今の日本の空ではすっかり希少な大型機を二つも見られて満足であった。
東関道、京葉道、首都高、甲州街道とドライブを楽しんで20時過ぎに自宅に着いた。


