暮れの西荻にて、20241229

吉祥寺に用があったのだが、すこし足を伸ばして西荻のオトトハルに寄った。ぼくたちが親しみと尊敬の心を持って「店長」と呼ぶ店主の顔を見たかったのだ。年内最後の営業だという今日も忙しそうだった。二、三の言葉を交わして「よいお年をー」と挨拶して店を出た。こんどHも交えて茶でも飲みながら鼎談しましょう。

店長が、どこかでお昼でも食べていくのか? と訊くから、すっかり西荻でグルメしたいムードになってしまった。それでまっすぐアンセンに向かった。食パンやら甘いのやらクロワッサンやらを仕入れて、ここでもお店のマダムと「よいお年をー」。アンセンのクロワッサンは初めて食べたかしら。これが美味かった。ぼくが知らなかっただけで、アンセンはクロワッサンの名店なのかもしれない。

アンセンに来て、その並びの古書音羽館に入らないということは、まずない。逍遥を誘う街なのだ。

この店は一部の梁が低く、腰を屈めてその下をくぐり抜ける。いつもそうしているのだが、じつはぼくの身長(170cm)ならふつうに歩いても頭をぶつけないのではないか、と仮説を持っている。ぜひ検証したいと常々思っているのだが、店に入ると蔵書に目を奪われてしまい、今日も腰を屈めつつ何冊か選んで、店を出てきてしまった。梁の高さは知れず。

駅前まで歩いて、折り返して帰ってきた。こんなにいい街だったか? でも分かっているのだが、この街は、ぼくを駄目にするはずだ。もう少しじじいになったら、また住めるかもしれない。

商店街は暮れの賑わいを感じるが、道行く人たちは、みなどこかゆったりとして見える。正月くらいは仕事を忘れられるという人も多いのだろう。少なくともぼくはそうだ。

窮鼠の立ち場から見た猫。なんか勝てそうっすね。