友よ友よ、20241221

しばらく東京を離れている友人を訪ねるために遠乗りした。

ふだんは忙しい友人だが、田舎にいれば暇を持て余しているかと考えたのだった。仕事以外ではほとんど外に出かけない自分ではあるが、理由さえあればテキパキと支度して出かける。それに、それゆえ、つまり生活の基本が穴熊だから、暇はいつでもある。運転なら何時間だってできるし、適任なのだ。時間は友のためにある。

週末の浮かれた渋滞の車列に閉じ込められるなんてぞっとしないから、6時に高速に乗った。すいすい、某所へ。

待ち合わせは午後だが、9時には近くの街へ着いた。古代遺跡と県立図書館と動物園と、三つで悩んで動物園に入った。朝の動物たちは元気がよかった。

レッサーパンダはたしかにかわいいが、よく見ると、下手くそが描いた猫みたいだ。それこそがこの動物の人気の秘密ではないか。ダチョウのアウターは暖かそうだしおしゃれだ。今日、一番欲しくなったアウターはこれだった。ホッキョクグマは頭寒足熱のポジションを見つけて眠り続けていた。こちらのアウターももちろんいいが、白だと汚れが目立つよね。アジアゾウは生まれ年を見ると丙午の生まれのメスだった。気性が荒いかどうか、しばらく観察したが、穏やかなご婦人だった。隣にいたキッズはこのご婦人を「アジアのゾウさーん」と呼びかけていた。なんかいいな、と思った。おれたち大人は、アジアゾウをアジアゾウとして当たり前に識別していい気になっている。メスの若いライオンがぼくに甘えて腹を見せてきたが、ぼくの隣にギャルズが来て「ライオンまじかわいいんだけど」とスマホを向けると、途端に不機嫌になった。ミーアキャットはその聡明さを隠しきれていない。ショウジョウトキの群れは構成員の7割に落ち着きがないから、ぼくはとてもこの中には入れない。考えただけでも頭が痛んだ。正午になって、園を出た。

待ち合わせ場所。寒いからすこし遅れて来てと言っておいたのに、友人はずいぶん早く現れた。すでに到着していたこっちもこっちで、似たもの同士、こんなだから友達なんだ、と思うのである。たぶん、そういうことだ。

日が暮れるまで、たっぷり話した。ぼくは帰りに、街の好きな古書店に寄って帰ると言うと、友人も一緒に行くと言う。この古書店はこの友人の旧友が経営する店で、ぼくにこの店を教えてくれたのもこの友人だ。それで一緒に古書店に入って、友人はぼくを店主に紹介してくれた。本当にいい店で、今夜は、前回訪れたときは見ずにおいた店の半分の棚を漁るつもりだった。だが、ふと思い出して、ちょうど探している文学全集のことを店主に尋ねてみると、まさにお誂え向きのものが見つかった。まだ値段も付けられていなかったが、店主はすこしおまけしてくれたらしい。いい買い物ができた。はっきり言って、年甲斐もなく喜んだと思う。泣くほど嬉しかった。話が出来過ぎである。いや、驚いた、驚いた。

文学全集は13巻に分かれていた。ぼくが両手で12巻を持って、友人が余った1巻を胸に抱えて、クルマに運び込んだ。

友人と別れて、月が昇る前の真っ暗闇の高速を、星を眺めながら帰った。東京だなあ。

メス猫、飼ってみたい。
猫を流し撮り。
あんま寝てるとバカになるぜ。
アカデミシャン、ミーアキャット。
尻尾の短い猫ならおれに任せろ。
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