未明に行われたカタールでのF1グランプリは、一度寝てから起きて、リアルタイムで見ようとは思っていたのだが、結局やめた。睡眠が大事だ。これは寝不足で月曜日を始めて一週間を乗り切れるほど若くはないという理性的な判断による。思えば酒を飲んでいた頃は、痛飲するたびに一週間を棒に振ったものだ。この酒断ち生活も年が明ければ一年になる。今年は、いいことしかなかった。
それで一日、SNSやネットニュースを徹底的に避けて、レースの結果に触れないようにして過ごした。いまどき情報から逃げるのも大変だ。いや、F1なら比較的簡単か。街頭のビジョンでニュースが流れるということもないし、カフェでF1の話をしている人間などいない。この国のF1ファンというのは、年に一度全国から鈴鹿に集まって、それで全部。数にして20万人ほど──。というのは大袈裟で悲観的な計算だけど、これがプロ野球だったら、12球団で6試合、一晩で集められる数だろう。それだけに相応のニュース・バリューがあるわけで、情報の遮断も容易ではない。F1だったら自分のスマホを開かなければそれでオーケー。無事に作戦は成功して、夜、帰宅してから見逃し配信のレースを見た。
ぼくの安眠メソッドが役に立ったと、ある人から聞いた。そのメソッドは「明朝のコーヒーを楽しみにする」という、はっきり言って「まじない」レベルのものなのだが、ぼくも気に入っている。念のため補足しておくと、安眠というのはなかなか一筋縄では行かないものだ。照明、空調、建物の防音性能、寝具、などの環境面(外的要因)がまず大事で、それから食事、日光浴、運動、風呂などの習慣面(内的要因)も整える必要があるから、気を使うべきことは多い。それでも睡眠とは生きることの根幹だと考えれば、真剣に向き合う価値はある。そうして真剣に考えすぎるからこそ、「まじない」が効いたりするのかもしれない。要は、複雑なのである。と、ぼくは方法論を複雑に考えるけど、方法論を取り払って(つまり論点をすり替えて)、もっと単純に言えば「大谷翔平もよく寝るらしい」ということなのだから、よく寝ましょう。ぐっすり眠って、コーヒーがうまい!
