正午から予定されていたロケ撮影は悪天候で急遽延期になった。思いがけず休みを手に入れた。恵みの雨。さしずめ「月火水木金金日」。それに昨夜はナイターを見たあとで22時前には眠りについた。よほど疲れていたらしい、朝までぐっすり眠った。疲れもよく取れて、なおかつ早起きをした日曜日。控えめに言っても最高だった。
それでのんびりと朝食をとって、横目でドジャース対パドレスの中継を見た。山本由伸が序盤から打ち込まれて、その分を大谷翔平がホームランで返した。由伸が簡単に打たれることも、大谷が当たり前のように打つホームランも、理解が追いつかない。アメリカの野球は恐ろしい。ぼくはメジャー・リーグに贔屓の球団を作ろうかと画策しているのだが、これ、夢中になれるだろうか。
青木宣親が引退した夜の神宮球場で、なにかが終わってしまった。それでもぼくはスポーツとしての野球が好きだから、アメリカに目を向けた。純粋に野球を楽しむならメジャー・リーグのほうがいいだろう。ラッパも太鼓もビールの売り子もいないわけだから。
今日のところはメッツ、ヤンキース、アストロズ、レンジャーズ、ダイアモンドバックスあたりを調べた。都市として魅力的だったり、帽子が格好よかったり、そんな理由だ。ヤンキースは、勝利後に球場に流れるフランク・シナトラにとても惹かれる。このチームの帽子のことはいまさら言うまでもない。ニューヨークなんかは何度行ったってイイ土地だから、贔屓球団を”置く”ことはとても合理的。でもやっぱりニューヨークだったらメッツか。ヤンキースを応援するということは東京で読売巨人軍を応援することと同義という気がする。反対に、ダイアモンドバックスの本拠地はアリゾナであって、そんな場所は贔屓球団でもなければ行くことのない都市だから面白そうだ。もう少し考えよう、来年の春まで。あとパスポートを更新しにいこう。
午後はカーテンを閉めた暗い部屋で横になって過ごした。カポーティの美しい文章を味わい、ブライアン・イーノとジョン・レノンを聴いた。
19時を過ぎて、世間がようやく落ち着いたころに食事に出かけた。阿佐ヶ谷で新規開拓。先日、この街で失敗したから、はやくやり直したかった。今夜は「ゆず」という定食屋に入って、天ぷらとトンカツ定食を頼んだ。どちらも美味かった。とくにトンカツは肉がたんぱくでぼくの好みだった。全体的に味付けが落ち着いていて、大人のための定食屋という感じだ。おっちゃんが一人でやっているから料理が揃うまでに時間がかかる。読む本があればいいだろうし、仕事の相手と一緒だったら打ち合わせには充分な時間になる。それで今夜は後輩を相手になかなか有益な打ち合わせとなった。ゆきすぎた合理主義者か、わたしは。
なぜ阿佐ヶ谷ばかりで食事をしているかというと、この街は中央線沿線の中では例外的にクルマで訪ねやすい。それで足が向くのだろう。であるならば、と新規開拓を急いでいるのだ。
