埼玉県某所で仕事を終えた帰り道、ちょうど戸田球場のプレイ・ボールの時間に間に合った。今日がファームの最終戦だった。チケットはすでに売り切れていたから、球場の裏の土手からの遠見となった。といってもこの土手は東京ドームでいえば内野A席ぐらいの見え方ではある。土手に登ると、そこにはコータローこと山崎晃大朗のユニフォームを着たファンが押し寄せていた。みながコータローの最後のプレーを見るために来ている。コータローは1番センターで出場した。
先発は翔聖(しょうせい)という18歳の右腕。この8月まで台湾の高校に通っていたらしい。台湾人なのか日本の国籍も持っているのか、よくわからないけど、とにかく台湾から来た。昨年のドラフトで育成契約の指名を受けて、いよいよこの9月からチームに加わった。つまりもっとも遅い新人の入団だ。1イニングを投げて2失点したが、なかなかいい直球を投げそうだ。体格や投げ方は若い頃のダルビッシュ風。注目しておこう。
1回の裏のコータローの打席はレフトフライ。鋭い打球だった。土手では、ファンのひとりがコータローの応援歌を静かに歌いだすと、やはり何人かが静かに加わって合唱した。スワローズ・ファンは、どういうわけか声が小さい。武岡と澤井の連打で1点を返した。2回の裏まで見て戸田をあとにした。
コータローがつぎの打席でホームランを打ったことをクルマの中で知った。もう1打席見ればよかったが仕方がない。一度家に帰ってから、神宮球場に行かなければいけなかった。ちなみにコータローは10月3日のカープ戦で一軍に帯同するらしい。
神宮球場はジャイアンツ戦。17時過ぎに球場に着いた。
いい試合だった。スポーツ観戦とは完全な受動だと思っているのだが、今夜は当たりの試合。1点を追う9回の裏、先頭の山田がヒットで出て、代走の並木が矢の如く走り回って同点に追いつき、長岡のヒットでサヨナラ勝ち。長岡はこれで最多安打争いでも単独トップに立った。ぼくと同じように戸田球場と神宮球場をはしごした武岡も見事な送りバントで勝利に貢献した。チームは5連勝。
青木さんは7回に代打で登場し、三球三振。これも野球、これも青木さん。ぼくはあともう一回、この球場で青木さんを見る機会がある。
試合後、ぼくの席の遥か遠く、内野のリッチな席で観戦していたアミーガと合流して、野球を語り合った。彼女は今夜が青木さんの見納めだった。わかるよ。うん、わかるよ。
千駄ヶ谷から黄色い電車に乗って三鷹に移った。ちょっと疲れていたから、神宮球場から22キロ走るのが億劫になったのだ。距離を縮めた分を高負荷のランにして帳尻を合わせた(疲れていたはずなのに負荷を高めてどうする。自己矛盾である)。11.5キロ、4分35秒ペース、53分。なかなか走れている。東京の南北の移動は交通網が貧弱だから、自らの脚で沿線を結ぶと妙な達成感がある。おそらく路線バスよりかは速達性に優れると思う。
