最初のひとつの質問、20240922

高津監督にひとことこう訊きたい。「監督、今日時点での戦略目標を教えてください」と。戦略目標こそが今日の試合という行為を手段とする。そんなことは当たり前だ。

春先のプロ野球チームの戦略目標は「優勝」であるべきだ。スワローズもそうだったと仮定しよう。全勝すればまちがいなく優勝できるが、そんなことは不可能。前半戦を6割の勝率で折り返すことを途中の目標の最大値にしよう。最小値は5割でいいだろう。その数値目標を達成しつつ、選手のコンディションが秋まで保つようにコントロールする。日々の試合はそのための手段である。

ときどき若手を起用するのはレギュラー選手のコンディション維持に適う。今年を戦いつつ、中長期的に見てもチームがうまく循環する。と、マネジメント思考で夢想する。理想論である。

そして現実がある。避けられないアクシデントがあったりする。主力選手のスランプがあったりする。折り返しの時点で優勝はまず望めなかった。Aクラス入りだってなにかしら奇跡が必要だった。そのままずるずると9月に入って、いよいよAクラス入りの可能性も絶たれた。いまは最下位。8試合を残して5位のドラゴンズまでは2ゲーム差……。

さて、冒頭の質問だ。

ある有名な作家を取材させてもらったときに、その方のインタビュー術に感銘を受けてから、その方法を拝借している。その作家いわく「取材にはひとつだけ用意した質問があればいい」と。なるほど。そして高津監督に対してぼくが用意した質問が「今日時点の戦略目標を教えてください」だ。話はまずそこからだ。

なぜメンバーを固定して一年を戦ったのか、いま5位を目指すことが本当になによりも大事なのか、若手を使って5位を目指すことはできないのか、山田哲人の後継者についての考えは……、村上がメジャー・リーグに行ったときの大砲候補は……、来年の清水の起用法は……、ドラフトは……、外国人枠は……、など気になることはいくつもあるが、もし冒頭の質問に答えてもらえれば以降の対話はぐっと具体性を帯びるはずだ。

もし、である。高津監督が「ひとつでも上の順位を目指すことが大事だ」と答えれば、一応は納得しよう。ファンは完全な受け身でしかいられない、というのがスポーツ観戦の原則だ。そう、ぼくはただのファンだ。

この質問に対するマネジャーの答えとして最悪のものは「とにかく毎試合頑張るだけです」であろう。それは選手レベルで許されることであって、マネジャーが言って許されることではない。そんなことはプロのマネジャーならわかっているはず。ましてや2連覇を達成した監督なのだ。だからこそ、高津監督の言葉で戦略目標について語って欲しい。ぼくはただ興味があるのだ。

時間がない。今日はここまで。

「マネージャー?」「マネジャーだ。マ、にアクセントもってきたいだろう」