今週すこしづつ食べていたミニトマトは福島県の新地町で作られたものだった。駅前の京王ストアに並んでいた。味が濃くてとても美味かった。新地町は宮城県との境に位置する浜通りの町で、地震と津波の被害は甚大だった。常磐線は流され、新地駅を含む区間で鉄道が復旧したのが2016年12月10日。原発周辺の不通区間が復旧し常磐線全線が再開したのが2020年3月14日。あの震災の復興の道は長い。あれから、地元の農業や漁業が原発事故の風評被害に苦しんだであろうことは想像に難くない。商品の包装に「福島県」と書かれるのと、「宮城県」と書かれるのでは、その二つの土地の実際の距離以上に隔たりが生じたのではないか。震災のあとで2回新地町を訪れて、その度に地元のかたとすこし話す機会があった。それ以来、密かに町の復興を応援している。だから東京のスーパーで新地町の文字を見つけたときは嬉しかった。
昨夜ぼくが静岡から帰宅したあと、猫は明らかに落ち着いて過ごしている。旅の前の何日間か取り乱していたのは一体なんだったのだろうか。ぼくは安楽椅子にかけて新聞と本を読んで、彼はその目の前のオットマンで眠り続けている。ちょっと落ち着いて暮らしなさいよ、ということか。
ここのところ、Apple Musicで音楽を聴いている。いまままでは自分のコレクションに固執していたのかもしれない。聴きたい音源はディスクで買うことにこだわっていた。だが、年々そのディスクも買いづらくなっていると感じる。今日はキース・ジャレットを何枚か聴いた。ネットワークから聴く音楽を「枚」で数えることに多少の違和感はあるが、初耳のアルバムをタッチひとつで再生できるというのは便利なものだ。これ、じつはすごいことなんじゃないか。もっと驚いたほうがいいか。しばらくはディスクとサブスクと、ハイブリッドで音楽を楽しんでみようと思う。どちらか、という人も多い気がする。
ビートルズのオリジナル・アルバムを一枚ずつ集めていく高校生なんて、いまいるのだろうか。きっといるだろうな。オールド・ファッションはいつの時代にもいる。
