両神山、20240509

6時に家を出た。関越道の花園インターで降りて、秩父盆地の奥へ。両神山の登山口のひとつ日向大谷に着いたのが9時。道中はずっと小雨の降るなかのドライブだった。昼前から天気は回復する予報だったから遅くにやってきた。初めての両神山登山に選んだのはやはり基本の表参道。雨の上がった10時に登り始めた。

両神山(りょうかみさん)という名は、イザナギ、イザナミの両神を祀ってあるためと言い伝えられている。別称は八日見山(ようかみさん)。これは日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征伐のときに、この山を八日間見給うたから、という伝説もあるらしい。と、偉そうに言っておいてなんだが、これは昨夜、深田久弥の『日本百名山』を読んで知った知識だ。

そう、両神山は俗に言う百名山なのだ。深田久弥の選んだ百名山はどの山も登山客が多いものだが、連休明けの平日、それに朝まで雨が降っていたとあっては、ほとんど貸切状態のコースだった。少々屈折した後ろめたさを感じつつ、ずいずい登った。久しぶりの山は、やはり気が引き締まって、清々しい。なにしろ謙虚にならないと、山は危ない。自然には絶対に勝てないと認識することが登山の大原則だろう。記録を狙って走るオン・ザ・ロードのマラソンは、本質的に傲慢な行為だと思えるが、それはそれで楽しい。

コースの前半は渡渉を5回ほど繰り返しながら、沢沿いを山の奥へと進んだ。水量が多いから気を使った。休業中の小滝小屋の先に壁が現れる。よじ登るようにして一気に高度をあげた。なかなかの急登だったが、時間をかけて登れば難しいところはない。こちらから見て向こう側の八丁尾根ルートは高難度のコースらしい。

13時半に頂上に着いた。天気もよかった。上着は羽織ったけど、顔にあたる風がちょうど心地いいくらい。手元の気温計は10度ぐらい。どの方角も人里から充分に離れているから、下界からの音が聞こえない。山深い静かな山頂はやはりいい。雲取山、甲武信岳、金峰山、八ヶ岳、浅間山、秩父盆地などの眺め。標高は1724メートルと、さほど高くはないが、久弥いわく「岩の砦」の頂上は切り立っていて高さを感じるから、スリルと満足感を味わえる。今度は八丁尾根ルートから登ってみたい。

14時に下山開始。16時半に登山口に戻った。

適当に車中泊で済ませるつもりが、風呂に入ってベッドで横になりたいという、堪え難い欲求。それですぐにアプリで宿を取って、秩父市街に戻った。とんかつ屋に入って、たっぷりと栄養を摂取して、22時には寝た。ぼくは睡眠障害を克服しつつある。そもそもあの睡眠障害がどの程度のものだったのかはわからない。なにしろ医者にはかからなかった。

翌日も山に登る。

雨上がりの登り始め。
沢沿いを奥へ進む。湿った空気がうまい。
仏像が多い。修験道は気が引き締まる。奈良の山もそうだった。
広葉樹林が多いのもいい。
頂上近くの神社の狛犬。
山頂から南方面。中央が雁坂峠、左に雲取山、右に甲武信岳、金峰山。
山頂から東方面。中央やや右の三角形が武甲山。町並みは秩父盆地。
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