仕事を早い時間で切り上げて、午後は藤田湘子の『20週俳句入門』を読んで過ごした。これまでに読んだ俳句の入門書と比べてもとくにわかりやすい。これから始める人には自信を持っておすすめできる。まずは通読してから、それから一章ごとに設けられた課題に向き合っていこうと思う。指導方針は、名句の暗誦と基本の”型”の反復、といったところか。半分ほどまで読んだ。
最近読み終えた本の中では尾中香尚里の『安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ』もよかった。自民党政権のパンデミックへの対応と民主党政権の震災・原発事故への対応が、当時、新聞社の政治記者だった作者の視点から詳しく書かれている。
改めて、安倍元首相の国会や会見での発言を振り返るだけでも、あの政権の本質が見えてくるというものだ。要は政治が責任を取るべき状況で、安倍氏やほかの政権幹部はことごとく責任を避けていた。そして成果(本当に成果があったかは別として)は政権がとり、国民には我慢を強いる、というのが基本的な構図。結局、「自粛警察」などがあのように自然発生し増殖したのも、この構図で説明はつく。いま思い返しても、不穏で息苦しい日々だった。
民主党政権下での震災・原発事故対応については、概ね好意的な見方がされている。もちろん批判もあるが、それは政治判断についての建設的な意見としては当然だろう。印象に残ったのは、震災発生直後の4月に、菅直人首相と髙木文部科学大臣の連名で全国の小学生へ送ったメッセージだ。この本にはそれが全文引用されている。僕はこれまでこのメッセージを知らなかった、もしくは気に留めていなかった。その内容の是非は個々人が判断すればいいとして、その文章からは、この政治家の人間性が垣間見えると思う。それは官僚や官邸のスタッフが書いたわけではない、生きたメッセージだからだ。桜前線を例に自然の尊さや恐ろしさを伝えるところなどは、政治家には珍しい理系出身者ならではの自然観が表れているとも読める。文部大臣との連名というのもいい。だれとは言わないが、他の総理大臣だったらこうはしないだろう。いつでも手柄は独り占めだ。コロナ禍でも、たくさんの人が苦しい思いをした。そんなときに、総理大臣の心を打つメッセージが必要だった。この本ではドイツのメルケル首相が発したメッセージが引き合いに出されている。
この13年前の菅首相と髙木文部科学大臣のメッセージは、この本でなくとも読める。文科省のアーカイブのリンクを貼っておく。中高生には別のメッセージが用意されており、こちらも是非読んでほしい。
今後も、日本の戦後の政治については勉強を続ける。
前にも書いたが、僕は菅直人が好きである。個人が政治を好き嫌いで語るのは決してタブーではない。とはいえ、客観性をもって挑みたいと、当然思っている。
アミーガが誕生日プレゼントにノラ・ジョーンズとビートルズのレコードをくれた。とてもうれしい。
「この歳になると誕生日といってもとくになにも思わない」と考えがちだろうし、そんなことを今までに僕も言ったことがあると思う。だが、この考え方に今年は異を立てる。やはり自分が生まれた季節にまたこうして「ひとまわり」巡ってきたというのは、有難いことである。素晴らしいことである。
レコードとあたたかい気持ちをありがとう。
