東京新聞の3月のジャーナリズム、東北と能登のこと、都立第五福竜丸展示館、20240311

ここ何日かの新聞の、言わば3月のジャーナリズムに目を通していたら、ずいぶんと時間がかかった。

散り散りになった福島の人の、いまも癒えない心の傷。その福島の震災関連死の突出した数字。宮城の沿岸の学校の屋上で津波から逃れた20代の女性の語り部としての活動。13年前の恩返しにと、能登半島で被災地支援にあたる医療従事者の男性。ほかにもいい記事がたくさんあった。想像することが大事だ。

ひとつ印象に残った記事を書き留めておく。3月10日の東京新聞朝刊の社説。ウェブ版でも読める。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/314249?rct=editorial

長野市職員の梨本さんは、災害ごみ問題のスペシャリストとして、被災直後の能登半島に駆けつけたという。2019年の千曲川氾濫に対応した自身の経験と、「対口支援(たいこうしえん)」で支えてくれた名古屋市への「恩返し」の気持ちがあったという。「対口支援」とは、総務省が2018年に創設した、被災地の自治体と、都道府県や政令指定都市を、国が原則1対1で組み合わせ、復旧復興を一貫して支える仕組みだ。2008年の四川大地震で中国政府が採用して、効果をあげたやり方なのだそう。

つい陰鬱な気分になりがちな毎日だが、こうした人間の「利他」の行動を新聞などで知ると、頼もしい気持ちになる。新聞読者としての正しいありかたは、こういう記事をもっと注意深く探していくことなのだろう。


仕事の合間、出先でたっぷりと時間があった。どこで過ごそうかと思って向かったのは新木場の夢の島公園。このなかにある都立第五福竜丸展示館が目当てだ。前回訪れたのは昨年の夏。8月6日だったか、9日だったか。そのどちらか。たしか9日だったか。つまり原爆が日本に落ちた日だったと、はっきりと覚えている。そして今日、3月11日に、やはり”たまたま”行く気になった。核の脅威について考えるには間違いなくいい日だ。

ところがである。クルマを降りて、施設まで歩きながら、うすうすは感じていた。今日は月曜日だ。たぶん休館日だ。そして、やはりその通りだった。そのまま歩いて、園内のがらがらのレストランに入ってランチにした。あとから、なにかのスポーツの合宿で訪れているらしい女学生一行(100人ぐらいはいたんじゃないか)が大挙して押し寄せた。彼女たちは僕のテーブルのすれすれを通り過ぎて団体用の席についた。もうちょっとマージンとりなさいよ、と思った。やれやれ、静かに過ごせると思ったのだが仕方がない。そういう施設なのだ。合宿の料金に、ここでの食事も含まれているらしい。若者に特有の他愛のなさに怯えつつ食べた赤魚のソテーの定食は、たしかに栄養バランスに考慮された、よい食事に思えた。しかし、コーヒーはひどい味だった。