酒断ちは11日目である。
自分で納得できる理由を設けられさえすれば、断酒は簡単だ。なにしろその理由が立派だ。いや俗っぽいか? 少なくとも利己的ではある。まあし、自分でもその理由が気に入っているぐらいだからこの「酒断ち」はうまくいくだろう。
ここらへんで一度、レポートを書いておこう。
昨日、久しぶりに穿いたレイン・パンツはベルトがいらないくらいのジャストフィット。ウエストがすこし太くなったらしい。入眠は早く、目覚めたときに回復を実感することも多い。気持ちは前向きなほうだろう。なにしろ俳句研究に夢中だ。酒を欲することもいまのところはない。家には飲みかけのウイスキーボトルがあるが、これもまったく気にならない。残念ながら走りは低調。ただしどれも相関関係はわからない。あまり一喜一憂はしていない。
何日分かの、そとで撮影してきたデータがわんさと溜まっている。今日これを処理してしまわないと、明日以降に窮する。そんな一日。いわゆる編集日。
ちゅーるを猫に与えているときに、うっかり手を滑らせて、猫の顔目掛けてちゅーるを噴出させてしまった。指先が湿っていて、滑りが悪かったのだ。噴出以外に正しい言葉が見つからないくらい見事な噴出だった。ちゅーるは猫の顔をかすめて床に飛び散り、猫は後ろへ飛びのいて、混乱し、怯えて、こちらを疑いの目で見つめた。謝ったところで時すでに遅し。猫はそれ以来、ちゅーるを与えられることがトラウマになってしまった。ディフェンシブなボクサーのように、ちょろっと舐めては後ろに下がるの繰り返しだ。そして、まだ与え終わらないのに、ととと、と隠れてしまうありさま。やれやれ。かわいそうなことをしてしまった。大好きなちゅーるが不快な経験とリンクしてしまった。時間が解決してくれるのを待つしかない。湿った手で猫にちゅーるを与えてはいけない。

