どうやら予報通りの積雪になりそうな気配だ。雪道をスタッドレス・タイヤのジムニーで走るのは楽しみだが、予想される交通の乱れは気がかりだった。こんな日に限って、ブツ撮り。つまり、機材がとても多い。
午前中は港北でクルマの撮影。10時から始めて、予定よりずいぶん早い解散となった。それにはわけがあるのだが、まあ書くほどのことでもない。こちらとしてはどうしようもない。まったく怒ってはいない。仕事においては御し易い人物として振る舞うことを戦術としているから、どうか安心してほしい。だれに向けて言っているんだ。だいたいが戦術としての御し易さなんて言われると怖いだろう。
午後の仕事まで余裕ができたのはよかった。中原街道で都心を目指し、竹芝に着いたのが正午まえ。この時点ではまだ雪は降っていなかった。
午後は、なにやらインターネットに接続された最新の「レジ」のカタログ向け撮影。なかなか厄介な相手に少し緊張したが無事に撮れた。撮影後、地下の駐車場までSさんが付いてくる。なにかと思ったら、僕のクルマを見せて欲しいと言う。Sさんはどちらかというとバイク好きだが、クルマ好きでもあるらしい。ちょうどジムニーの購入を考えているそうだ。
僕が大量の機材をラゲッジスペースに積み込むあいだ、Sさんは外から眺め、運転席に座り、じっくりと吟味している。車内に届くエンジン音はどんなものかと言うので、Sさんを助手席に乗せて、建物の周りをぐるっと走らせた。気にするところがクルマ好きのそれである。
仕事中に同業者のMさんからチャットが入っていた。それによると首都高速は封鎖。Mさんはいつも重大ニュースを届けてくれる。なぜだろう、とは思うが、そんな人っている。親切なんだ。
ということで、15時過ぎに竹芝を出て、下道を2時間半かけて自宅に着いた。
夜、多摩丘陵の町の急な坂道では立ち往生して乗り捨てられたクルマがいくつもあった。トランスファー・レバーで四輪駆動に切り替えたジムニーは、登坂もまったく問題なし。電子制御とタイヤの性能を確かめながら走らせるだけの余裕があった。頼もしい。さらに、バッグには靴に付けるチェーン・スパイクと、手袋も用意してあった。どちらも登山用のものだ。非常食も持っていたし、ガソリンは満タン。人もクルマも万全の態勢だった。密かに得意だった。
猫はとくに雪だからといって浮かれた様子はなかった。
