阪神ファンと広島ファン、クールな門下生、溺れる師匠、20231019

西荻に着いたのが17時。

熱狂的カープファンのK君を呼び出したのは、熱狂的阪神ファンが経営するカフェ・バー。この店ならナイターの阪神広島戦をゆっくり観られるだろうという算段だ。

着席してまもなく、店主のCさんも交えて野球談義に花が咲く。なんとCさんとK君は、9月のマツダスタジアムで、同じ試合を現地観戦していたということが判明した。K君は広島の優勝決定試合を見越して、Cさんは阪神の優勝決定試合を見越して、わざわざ東京から見に行ったというわけだ。

結果的には広島は早々に優勝争いから脱落し、阪神はその前日に甲子園で優勝を決めていた。CさんとK君の熱狂は尋常じゃない。

18時に試合が始まった。Cさんと客の一人が阪神を応援して、K君と僕が広島を応援した。僕は本来がスワローズファンだから気楽な観戦のつもりだったのだが、K君の詳しい解説を聞きながら観ると面白みが増す。彼は終始、ぶつぶつと、批判的に、広島の野球を語った。

試合は阪神が勝った。

店を出て、西荻の地下へと潜った。K君は勝手に僕の門下生になったらしい。変人である。まあ門下生にしよう。門下生、いい響きだ。門人。門弟。門下生。2人目の門下生。悪くない。自分が夏目漱石になったみたいだ。

その門下生は突然帰った。1人だけ浮上しやがった。帰還した。残された僕は地下で溺れた。