朝起きて、ラジオをつけて、市川紗椰の声が聞こえてくるから月曜日だ。いい女が、週の初めの物憂い僕を駆動させるから最高だ。今日のラフマニノフの特集はとくに良かった。火曜日以降の「クラシック・カフェ」の貞平麻衣子も、やっぱり最高なのだが。
ある企業の内定式に呼ばれて撮影をしてきた。この会社との付き合いはもう長い。待ち合わせの時間にロビーで待っていると、本来の担当者ではなく、その上司がやってきて僕に声をかけた。「担当のRが体調を崩しまして、それで僕が迎えにあがりました」とその上司は言った。長い付き合いだと話が早くていい。
「もう何回目になりますかね、来ていただくのは」
「覚えていないくらいですねえ」
「ははは、毎回やってもらっているから弊社のこともよく知ってもらっていて」
「御社の行事に呼ばれるたびに季節を感じますよ」
そうなのだ。実際、6ヶ月前は入社式にお邪魔している。なるほど、ちょうどあれから半年経つのか、と思う。
式典に出席している役員の面々も、過去に僕がプロフィール撮影をしてきたから、顔見知りになっている人もいる。ご丁寧に僕にまで挨拶をしてくれるから恐れ多い。
式典を取り仕切っている若手社員も、入社の頃から知っている。だんだんと精悍な顔つきになってきた。
内定者である大学生約50人を相手にする。若い。みんな礼儀正しい。こちらの背筋が伸びる。フレッシュ・マンから元気をもらって、うきうきする。すっかり、ちゃんと、こちらも歳をとっている。そのことに妙に安心する。
自宅には13時に着いた。いくつかの必要な連絡を済ませてから、編集作業を3件分片付けた。
今朝の東京新聞の一面。『杉並、提案事業の投票始まる』。区の予算の一部を、区民が提案した事業に充てるというもの。前もって応募されたいくつもの事業案の中から、どの事業を実施するかを、区民の投票で決める。他の自治体で先行した事例もあるが、多くの場合、投票率が思うように高まらないのだという。例えば、同様の事例を東京都が実施したときは投票率が1%未満だったと記事にはある。僕も東京都民だったが知らなかった。
僕は今でも杉並区のことを気にしている。岸本区長に頑張ってほしいと願っている。あの町には不思議な魅力がある。そんなこと、住んでいる人はみんな知っているのだ。僕はその引力を強く感じながら、今はまだ、飲んだくれに戻るのが怖くて、ちょっと近寄れない。酒場が多すぎるのだ、まったく。
今日は仕事に没頭していて、音楽をかけることすら忘れていた。星新一のショート・ショートでも読んで、もう寝よう。