中秋の名月、爽やかな風、調律、20230929

やはり自宅を出るのが20分遅かった。多摩川を渡る橋にたどり着いた時、月はすでに目線の高さより少し上に浮かんでいた。本当は地上の建物から顔を出す瞬間の月を見たかった。それでも、大きくて赤くて綺麗だった。今夜の月は、中秋の名月なのだ。

10分ほど眺めた。東から吹く風がひんやりとして心地よかった。爽やか、と言ってもいい。「爽やか」を秋の季語だと認識する感覚は美しいものだ。最近は句作に向き合う余裕がない。忙しさと、秋を感じられない気候のせいにしよう。

橋を離れて走り続けた。やはり今夜も東京外語大学を抜けて折り返してきた。すっかりここ最近の気に入りのコースになった。明日の朝にハードなランが控えているから、意識的にゆっくりと走ってコンディションを整えた。約12キロ、キロ6分17秒。

走っていて感じたのは、寝不足の体の鈍さ。例の水漏れで仕事も家事も後手に回り睡眠時間が侵された。こういう時は怪我が怖い。

その漏水事故。今朝、洗濯をしようと洗濯機の収まった扉を開くと、そこに水が漏れていた。僕の気がつかないところで家財被害が発生していた。忙しくて洗濯機なんか見向きもしなかったのだ。やれやれ、まだこの処理は続く。

ミック・ジャガー、ポール・マッカートニー、プロコル・ハルム、と聴く夜。水風呂に浸かりながら、今までに何度も読んだ池澤夏樹の短編を読む。走った体が溶けていく。心身の調律が整っていく快感が、ささくれだった気分を洗い流していく。