無性に苛立たしい一日だった。やることは多いが、意義を感じられることがあまりにも少なすぎる。忙殺されている。そんなことが原因か。もう30も半ばを過ぎたという焦り、これはいつだってある。勉強もいいが、結果を欲している。感情の起伏を頭では理解している。
昼間に西新宿で撮影を終えた。帰りの甲州街道は空いていた。自宅に帰ってから、デスク・ワークを進めたかった。それなのに今日はどうも悪い日だ。
玄関に入ると、そこに水たまりが出来ている。天井を見る。水が漏っている。家財に大きな被害がないことを確認して、すぐに管理会社に電話をかけた。応対した女性がすぐに設備担当を手配してくれた。水が落ちた場所は普段カメラ・バッグを置いてある場所だった。仕事に出掛けていたからカメラ・バッグは難を逃れた。機材を部屋に戻すわけにもいかず、クルマに積んでおくことにした。ほかのいくつかの機材も玄関からクルマに避難させた。洋服や靴にも被害はなかった。もっと悪いことにだってなり得たのだから、付きがいいと思うしかない。1時間ほどして設備担当がやってきて養生シートで僕の室内の応急処置をしてくれた。原因は2階うえの空き部屋の、給湯装置の故障だという。一連の対応のあいだ、僕は妙に冷静だった。頭を冷やされたのかもしれない。
請求書をいくつか作って、編集作業を1件分済ませた。ビールを1本飲んだ。さすがに疲れて、もう夕方だったが、昼寝した。起きたらナイト・ゲームは6回の裏まで進んでいた。もう1本ビールを飲んだ。
やるべきことをすべて片付けて、チェアに深く座って、『日はまた昇る』の第3部を読んだ。マドリードでのブレットとジェイクは物悲しい。