ゴールデン・ウィークも終盤の土曜日。ジャイアンツ対スワローズのファーム戦をジャイアンツ球場で観てきた。
13時プレイボールのこの日のチケットは前もって取ってあった。正確には一緒に観戦するLがすべて手配してくれた。不精な僕にはなんともうれしい取り計らいである。つまり今日の野球観戦は、友人とあらかじめ予定したイベントだったのだが、僕は前の晩に目覚ましをかけずに眠り、朝目覚めてからもベッドのなかで二度寝を繰り返した。まったくなにをやっているんだかよくわからない。いよいよベッドから起き上がってスマホの画面を開くと正午前だった。寝坊である。その1時間ほど前にLから家を出たと連絡が入っていた。とすると、もう球場で座席に座って試合前の練習を観ているころかもしれない。いま起きたことと、すぐに向かうことを伝え、15分ほどで身支度をして家を出た。球場へはクルマで10分ほどで到着。隣接の駐車場に車を停めて、座席に着いたのは12時45分。なんとかプレイ・ボールには間に合った。もちろんLはすでに座席に座っていた。Lに謝り、ようやく少し落ち着いた。Lがくれたドライフルーツの糖分が、起きてから何も口にしていない身体に心地よく染み渡った。よく気の利く人である。
ジャイアンツ球場には初めて来た。丘の斜面をぽっかりと切り開いた場所だから三方を緑に囲まれ、一方から遠くに都心の街並みが見える。緑豊かな環境で、ダイナミックな眺めが心地がいい。一見すると自然が豊かだが、この丘の裏には広大な多摩ニュータウンが広がる。
さて、久しぶりの野球観戦である。最後に観たのは2019年シーズンの神宮球場であっただろうから2年以上遠ざかった。理由はもちろんこのパンデミックである。間近で見るプロ野球選手の体格に驚かされる。こんな感動が懐かしい。ジャイアンツの2軍打撃コーチは小笠原、監督は二岡。スワローズの2軍打撃コーチには畠山。このあたりのコーチ陣は現役時代を熱心に応援していたから僕の心は一瞬で野球少年に戻る。そうそう、球場で野球を観るってこれだよな、と膝を打つ。
試合中は一度も席を立たなかった。双眼鏡を通して選手の表情を観察した。これから1軍に這い上がっていこうとする若手投手がストライクを取るのに苦労していると胸が苦しくなる。出場選手たちの中では群を抜いて1軍での経験が豊富な元山がショートのポジションから投手と内野陣を盛り立て引き締めていた。2軍で調整中の中田翔のホームランの打球はまるで格の違いを見せつけるかのようだった。ジャイアンツのサードを守っていた菊田も元気がよくて印象的だった。そういえばジャイアンツの選手は試合中ベンチからよく声を出す。一方のスワローズの選手はあまりベンチから声を出さない。チーム方針もあるのだろうかと興味深かった。鳴り物応援もないし、観客も少ないから、野球の音を楽しむには最高の環境だった。誘ってくれて、チケットの手配や軽食の用意までしてくれたLに感謝である。